第1話 今日忙しいから
終電帰りが続いていた頃の事。夜ふと目が覚めると、寝ていたベッドの隣の床にヒトの気配がする。暗闇の中、目を凝らしてみると、なんと全裸の自分が床で体育座りをしていた。顔は突っ伏し、表情は分からない。
「明日も早いのに…。」残業は当分続く予定だ。そんなことが頭をよぎると、怖さなんかより、ムカムカと腹が立ってきた。私は「私」に向かって、「今日忙しいから!」(構っている暇はない)そう怒鳴りつけると、「私」を無視してすぐに眠りについた。
朝、目を覚ますと何も変わったところは無し。その後何事もなく、また忙しい日常に戻っていった。
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