第18話 夢見が悪い

    第14話 シートベルトの後日談。亡くなった母方の祖母は、いわゆる「夢見が悪い夢」を見る人だった。主に人の生き死にや怪我などに関する夢を見ていたようだ。たまに我が家にも夢見が悪いから、と気をつけるようにとの連絡が入っていた。

 父が交通事故で首の骨を折る重傷を負った時も、祖母は不思議な夢を見ていたそうだ。

 暗闇に父が正座している。祖母が近づいていくと、父は自分の首を何度もなでながら、必死に何かを訴えかけている。言葉は聞こえない。それを見て祖母は、わかった、わかった、と何度も父に返事をする。そんな夢だったらしい。

 祖母は、夢の中では、わかった、と言ったものの、何をわかったのかも含めて、その夢の意味が分からなかったらしい。事故が起きてからそういう意味だったのかと合点がいったそうだ。

 そのほかにも祖母の夢見については話があるが、それはまた別の機会にしたいと思う。

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